「探究のテーマは何にしよう?」
「やる気はあるけど探究テーマがみつからない!」
このような探究のテーマ設定に悩みを持つ中学生や高校生は、あなただけではありません。この記事では、中高生向けの探究コンテスト「自由すぎる研究EXPO」に寄せられた応募作品から「生物」に関するものの一覧を紹介します。探究学習だけでなく、「生物」の課題研究やレポートの題材に悩んでいる方も必見です!
日本全国の中学生や高校生たちがこれまでどんな探究をしてきたのか、先行する探究の成果を見てみよう!みんなの「生物」に関する理解や興味の促進に少しでもお役に立てると幸いです。
応募作品
応募作品タイトル | 応募年度 | 受賞履歴 |
---|---|---|
昆虫 | ||
キアゲハがサナギになるまでの研究No.2 | 2023年度 | 入選 |
ハラビロカマキリにおけるハリガネムシの寄生率調査 | 2024年度 | |
レモングラスの蚊に対する忌避効果 | 2024年度 | |
アブラムシの共生細菌の熱耐性 | 2024年度 | |
セミの鳴き声は 1/f ゆらぎに相当しリラックス効果はあるのか? | 2024年度 | |
魚類 | ||
魚の聴力と学習能力によるコントロール―音で魚の行動をコントロールできるのか― | 2023年度 | |
魚鱗の輝きは群れ形成にどのような影響を与えるのか? | 2024年度 | 金賞(称賛団体賞) |
世界農業遺産「清流長良川の鮎」を守れ!~長良川下流域におけるアユ(Plecoglossus altivelis)仔魚の降下時間と個体数の調査~ | 2024年度 | 金賞(称賛団体賞) |
魚のウロコから生分解性プラスチックを作る | 2024年度 | |
鳥類 | ||
インコの体のつくりと工夫 | 2023年度 | |
ツバメ類が好む優良物件~ツバメ類の巣作り~ | 2023年度 | |
羽の染色実験 | 2024年度 | |
植物 | ||
体内で種は発芽するのか。 | 2023年度 | |
沖縄本島に分布するクロモの形態的多様性について | 2023年度 | |
イチョウ葉の食品保存能力についての研究 | 2023年度 | |
茶柱が立つ確率を上げる方法 | 2024年度 | 金賞(称賛団体賞) |
マツを救う防風対策 止めてだめなら吸ってみろ | 2024年度 | |
植物の成長と音には関係があるのか | 2024年度 | |
微生物 | ||
ゾンビボルボックスの”マイクロ電池”化 | 2023年度 | 金賞 |
カテキンとβオイデスモールによる大腸菌殺菌への相乗効果 | 2024年度 | |
発酵食品で微生物の働きを活発にすることはできるのか? | 2024年度 | |
寒天培地の pH 変動における酵母菌の コロニー変動 | 2024年度 | |
その他 | ||
ジャンボタニシの食害を防ぐために | 2023年度 | |
自転車片道23キロメートル 効率の良い生きもの採集方法の研究 ~何かにとらわれず、とにかく自由に楽しむ~ | 2023年度 | 入選 |
ダンゴムシの交替性転向反応における確率の向上 | 2023年度 | |
Maimai can save the earth!!〜カタツムリの殻凹凸構造の生物摸倣〜 | 2024年度 | |
ハムスターの生涯の走行距離 ~ハムスターはなぜ走るのか~ | 2024年度 | |
プラナリアの自然分裂と光の色の関係 | 2024年度 |
応募作品ピックアップ
作品紹介:「ゾンビボルボックスの”マイクロ電池”化」
<名城大学附属高等学校>
「ゾンビボルボックス」とは一体なにもの!?
初めてこの応募作品に出会ったとき、頭の上にそんなハテナを浮かべていました。小学校で習ったような気のするボルボックス。緑色の球体という記憶しかないボルボックス。そんなボルボックスに思いを馳せながら拝見していくと、読み終える頃にはすっかりゾンビボルボックスの可能性に心を奪われました。
本作はクリーンエネルギーという話題のテーマに対して、”微生物オタク”を自称する高校生が独自の観点から切り込んだ作品です。表紙にあるボルボックスのイラストをぜひ見てください。ボルボックスに顔があるイラストをこれまで見たことがありますか!?
随所にボルボックスへの愛を感じます。
探究のきっかけ
まだ探究テーマが決まらなくて悩んでいる人の参考に、これまで「自由すぎる研究EXPO」に応募された作品から、先輩たちがその探究に取り組もうと思ったきっかけをご紹介します!
魚鱗の輝きは群れ形成にどのような影響を与えるのか?
魚によって、大きさや形、色が違うことに興味をもった。
佼成学園高等学校2年
「魚鱗の輝きは群れ形成にどのような影響を与えるのか?」2ページ目より
鱗を見てその違いに着目する視点に脱帽!普段何気なく見ている生き物で気になること、興味があることを考えてみると探究のヒントになるかもしれません。
研究論文・研究事例
「探究」と「研究」で目指すものが異なります。中高生のみんなからすると堅苦しく感じてしまうかもしれません。ですが、こういった学びの分野があるということは知っていることで損はしないので、今後の参考として「生物」に関連する「研究」の論文や事例をいくつかご紹介しますね!
○研究論文
タイトル | 学位授与大学 |
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微生物機能を活用した新たな風味を有する泡盛醸造技術の開発 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
概日時計を介した花成時期の制御 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
腫瘍微小環境を介した免疫抑制機構の解明 | 日本大学 |
褐葉アカモクSargassum horneri C. Agardhの生態特性に合わせた養殖技術の確立 | 三重大学 |
サンゴ礁海域におけるヒメジ科魚類の採餌生態と生活史戦略 | 琉球大学 |
地域未利用資源の養豚用飼料利用に関する研究 | 日本大学 |
ウサギにおける眼毒性発現に関する研究 | 岩手大学 |
高濃度アスコルビン酸投与に伴いヒラメ皮膚組織で発現上昇するヘモグロビンβ鎖の研究 | 日本大学 |
淡水二枚貝タテボシガイの藍藻資化能の評価と環境DNAを用いた湖沼におけるモニタリング手法に関する研究 | 秋田県立大学 |
ウサギにおける鼻腔内粘膜噴霧投与による鎮静不動化法の開発 | 酪農学園大学 |
○研究事例
【出典】基礎生物学研究所(参照 2024.9.15, https://www.nibb.ac.jp/pressroom/pr/)
- 引き伸ばされても細胞同士がバラバラにならないわけ
・ 私たちのからだは内外から常に様々な力を受けていますが、細胞同士が互いに接着し、細胞が変形に耐えることで体を守るバリアを保っています。
- 無花粉スギの原因遺伝子を新たに特定
・国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所、新潟大学、東京大学、基礎生物学研究所、新潟県森林研究所の研究グループは、無花粉スギの原因遺伝子MS4を特定しました。
レファレンス
【出典】Association Press,「新書マップ」(参照 2024.6.18, https://shinshomap.info/)- エコロジー、生態系
生態学の知識、海岸海辺のさまざまな環境と生物たちの生態、エコロジーに関する用語事典、自然保護活動や健康問題の中で知る生態系の仕組み、エコロジーを医学や技術に生かす方策など。 - キノコ・カビ・菌類とミクロの世界の生きもの
カビや酵母などの菌類、原生動物や微細藻類、植物とも動物とも異なる進化を遂げたキノコ、脳も神経もなく形をさまざまに変える粘菌など、地球上のあらゆる場所で生きるミクロな生物の生態。 - 熱帯
熱帯雨林でくり広げられる生物活動、資源を守りながら営まれる伝統的漁業、熱帯雨林の伐採の実情と保全、熱帯の果物など。
(参照 2024.7.19, https://ndlsearch.ndl.go.jp/rnavi)
- 生物学:12項目
・魚の泳ぐ速度(遊泳速度)
・絶滅危惧種について調べる
・昆虫について調べる など
興味のありそうな探究テーマを紹介!
企画/編集:自由すぎる研究EXPO事務局