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8月末に最終審査結果を発表した探究成果発表の場「自由すぎる研究グランプリ」。
第一回の開催となった今回は、全8社の企業が審査員として集まり、2次審査・最終審査を行っていただきました。そんな企業審査員の皆さまだからこその気づきや感じたことをお伺いすべく、我々は対談形式のインタビューを敢行しました。
本シリーズ第4回は、ヤフー株式会社でSDGsに関するさまざま情報を発信するオウンドメディア『Yahoo! JAPAN SDGs』の編集長を務めながら、漁業の未来に向け、地域や業種の枠を越えたメンバーで活動する一般社団法人フィッシャーマン・ジャパンの事務局長も務める長谷川琢也さんへのインタビューです。
インタビュイー:ヤフー株式会社 長谷川琢也さん
インタビュアー::株式会社ウサギ 高橋晋平さん
※このあと出てくる具体的な作品についての詳しい情報は「自由すぎる研究グランプリ」公式ホームページをご参照くださいませ。
目次
初めての審査を終えて感じたこと
――「自由すぎる研究グランプリ」の審査を終えてみての、率直な感想をお聞かせください!
長谷川さん:
まずグランプリ全体についてですが、ネーミングに自由“すぎる”が入っていることが、イベントとしての面白さをグッと引き上げていますよね。ヤフーには、「才能と情熱を解き放つ」というコアコンセプトがあるのですが、この大会の「自由すぎる」という部分とも親和性があるように感じていたので、どんな作品が出てくるのか審査を楽しみにしていました。
私自身、SDGsや地方創生、震災復興などの社会課題解決を扱ってきたこともあり、若いうちから本質的なものに触れる必要性を感じていました。そうした事柄との向き合うことを促進する企画だと楽しみにしていたところ、実際に期待を裏切らない作品が出てきて、高校生たちの持つポテンシャルを感じました!
長谷川さんへのインタビュー中の様子
――本当に素晴らしい作品ばかりでしたね。長谷川さんの中で特に印象に残っている作品はありましたか?
長谷川さん:
いくつかありますが、イノベーション大賞を受賞した『バッタは養殖業を救うのか?』は、特に印象に残っています。
エサの問題は、漁業関係者にとって非常に重要な問題なので、よく高校生がそこに着目したなと感心しました。
また、1次審査を通過した、『ねえ先生「女子高生」のコト、わかってる?』は、ジェンダーやアンコンシャスバイアスを取り挙げられており、ジェンダーによる考え方のギャップを大人や社会に喚起していて素晴らしかったです。
長谷川さんが編集長を務める『Yahoo! JAPAN SDGs』のページ
それから、個人的には自分の好きなものを軸に調べて研究することは好きなのですが、『リーダーシップ論から見るジャニーズエンターテインメント』は、ジャニーズに対する生徒本人の好きな度合いがよく伝わってきたので良かったです。アーティストもスタッフも喜びそうな研究発表作品でした。
研究対象の関係者が喜んでくれるという観点は、プレゼンテーションをするといった場面では大事にしたい要素の一つなので、その意味でもうまくできているな、と感じます。
プレゼンテーションに関連して言えば、『“夜に駆ける”からみる音楽が人に与える心理的影響の考察』は、PR動画における表現の上手さが結果的に評価につながりましたね。書類の段階では真面目な印象でしたが、PR動画では印象がまったく違っていて。エンタメ性も感じました!
第二回の開催へ向けての期待
――実は第二回開催への企画をすでに進めているのですが。今後の大会に期待することはありますか?
長谷川さん:
この「自由すぎる研究グランプリ」自体のコンセプトが、参加する生徒たちにもっとしっかり伝わるように大会が進化していけるといいですよね。特にこの“自由すぎる”という趣旨がきちんと伝わると、もっと尖った作品も出てくるんじゃないかなと期待ができます。
また、今回は、応募部門が「A:部活」「B:SDGs」「C:本当に自由すぎる」の3つに分かれていましたが、応募作品とそれぞれのカテゴリとの結びつきがもう少し見えやすくなるといいなと思いました。
『Yahoo! JAPAN SDGs』の編集長の立場でいえば、今の若い方たちのほうがSDGsを本質的に理解しているはずなので、SDGsに関連する「自由すぎる研究」は、引き続き次回も期待したいところです!
高校生の皆さんへ
――今回、全国から高校生の応募がありました。長谷川さんご自身が、こんな人と一緒に働きたいなぁ、と思う人はどんな人ですか?
長谷川さん:
多様性が重視される世の中なので、あまり「こういう人」とカテゴライズはしたくはないのですが、強いて挙げるとすると、興味の持ち方が面白い人がいいなと思います。
「沸点が低い」「着火しやすい」といいますか。様々な物事に対して「これ何なんだろう」「なんでそうなんだろう」というように、何でも興味を持てるような人。それって、「なんで?」という疑問から一歩を踏み出せる人ですよね。
これができる人は、調べたり、検証したりというように、次の二歩目・三歩目へ進んでいける人だと思うので、そういう人とぜひ一緒に働きたいですね。
――なるほど、ありがとうございます。『Yahoo! JAPAN SDGs』編集長としても、高校生と何か一緒に取り組んでいきたいという思いはありますか?
長谷川さん:
ぜひ高校生と一緒に取り組んでみたいですね!
といいますのは、これからの時代・世界・地球を生きる人のために、いま大人がなにを用意していくべきなのかを考えるきっかけづくりを、今後の活動を通してやっていきたいのですが。
これを大人たちだけで決めていくのではなく、ぜひこれからを生きる若い方たちと一緒に考えていきたいです。
SDGsのコンセプトにも「誰一人取り残さない」というのがありますが、こうして未来を考えていく場面でも大人だけで完結してしまいたくないので、高校生の皆さんにも記事を読んでもらいたいのはもちろん、例えば(『Yahoo! JAPAN SDGs』の)編集部に入ってもらったりして、なにか一緒に取り組むことができたらと思っています。
長谷川琢也さん、ありがとうございました!
総括
今回は、ヤフー株式会社の長谷川琢也さんにお話を伺いました。
長谷川さんは、『Yahoo! JAPAN SDGs』の編集長としての立場で、さまざまな社会課題に向き合っていらっしゃいます。そんな長谷川さんから、高校生の皆さんとなにか一緒に取り組みをしたいという声をいただきました。
みなさんが普段何気なく考えていることは、実は社会や大人にとっては「尖った」アイデアなのかもしれません。そんな何気ないアイデアを発表できる場であり、それを一線で活躍する企業審査員にも見てもらえるのが「自由すぎる研究グランプリ」です。
皆さんの素敵なアイデアで、ぜひ次回大会にエントリーしてみてはいかがでしょうか。
今後も審査員へのインタビューを記事にしてまいりますので、ぜひご覧ください。
現在、トモノカイでは第二回大会を鋭意企画中です。
第二回大会で、たくさんの“自由すぎる”作品たちと出会えることを心からお待ちしております!
執筆:佐瀬友香(自由すぎる研究グランプリ事務局)
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