探究学習を担当する先生のお悩み③:探究の評価はどうすればいいのか
探究を進めていくうえでよくあるお悩みの一つに「評価」があります。
従来の科目とは異なり知識を問うものではないので、どのように評価をすればよいか、悩む先生も少なからずいらっしゃるようです。
探究における評価において大事なのは、下記の二点です。
①その評価が生徒自身の振り返りや反省となって次につながること
②成果物の出来や発表方法よりも、生徒が考え抜くことができたかを見ること
それぞれについて、解説します。
①その評価が生徒自身の振り返りや反省となって次につながる
学習指導要領でも言及されている通り、探究は生徒自身の生き方、在り方と不可分な課題に向き合う活動となります。生き方、在り方なので、すなわち、どこかに明確なゴールがあるわけではなく、継続的に発展していくものだといえるでしょう。
そのため、ある時点で生徒がそれまでの探究活動を振り返り、今後どうしていくのかを考える際に、その材料の一つとして「評価」があると考えてはいかがでしょうか。
②成果物の出来や発表方法よりも、生徒が考え抜くことができたかを見る
探究活動として成果発表の場を設けている学校は多いと思います。その際に起こりがちなのが、成果物の出来や発表の完成度の高さなどが評価されてしまうこと。
たしかに、そうした要素はわかりやすく、評価もしやすいので目が行きがちです。
しかし、学校での探究の目的は成果物を綺麗にまとめることではなく、その成果物にたどり着くまでのプロセスを練習していくことにあります。
したがって、成果物のクオリティよりも、
・生徒がいかに探究的に思考をめぐらせられていたか
・自分なりに考え抜くことができたか
という点で評価していく必要があります。
これらの観点で評価をしていくのが良いと思いますが、ここで大事なのは先生の主観だけにしない工夫をすることです。他の科目のように正誤で評価できないために、その評価に対して生徒自身も納得がいくものにならないと、振り返りや反省にも生かすことが難しくなってしまいます。
このため、多くの学校では「ルーブリック評価」を取り入れています。評価の基準となるルーブリックがあることで、先生同士で共通の基準として活用でき、評価がぶれにくくなります。また、生徒にとっても自分がどのような状況にあるのかを確認し、次にどのように進んでいけば良いのかが明確になります。
そうしたルーブリックの作り方のコツや考え方について、導入校向け支援動画「つまんで理解! 探究のコツ」にて詳しく解説しています。
はじめての探究:お悩み別 Tips