高校生向けワークショップ「高校生ミライ探究部」で見えた、生徒の変化

私たちトモノカイは、2023年夏、高校生を対象とした探究のレベルアップをお手伝いする、参加無料のワークショップ「高校生ミライ探究部」を開催しました。
そして、無事に全プログラムが終了した今、プログラムを受講した高校生のリアルな姿を見て、感じたことや驚嘆したこと、現場でのさまざまな発見をお伝えしたいと思います。

■目次
1. 改めて、「高校生ミライ探究部」とは
2. プログラムの実際の様子と参加者の声を一部ご紹介!
3. 登壇いただいた藤岡慎二氏の言葉からわかる、生徒の体験の充実度
4.今後も、高校生の探究活動を全力で支援していきます

1.改めて、「高校生ミライ探究部」とは

トモノカイでは、高校生が社会と関わりながら学べる機会を作りたいとして、今回のワークショップを立ち上げました。
探究活動は、自分との対話が重要ではありますが、同時に広い視野や他者からの目線が必要です。しかし、高校生という立場では、なかなか自分から飛び込んでみるのは難しいかもしれません。だからこそ、そのきっかけとなるような社会との接点を持てる場を提供したいと考えました。
その結果、高校生が「探究をもっともっと楽しんでもらうため」に必要な考え方を身につけてもらう、今までにないワークショップになりました。

2. プログラムの実際の様子と参加者の声を一部ご紹介!

今回の「高校生ミライ探究部」の開催形式は、リアル会場・オンラインとプログラムによってさまざまでした。
どんな場だったかを、一部プログラムの様子を紹介します。

7/28「地方創生×観光×SDGs -むすんで、つないで、そのさきに」
グループワークでまとめたアイデアを発表する様子。

8/11「未来のビジネス・社会を変えるメタバース」
VRゴーグルでメタバース空間を体験。メタバースでどんな社会課題を解決できるかを考えるきっかけを作った。

8/7「フレームワークで探究スキルを磨き上げよう」
参加者全員で、JamBoardを使って付箋ワークを行う様子。

プログラムでは、社会課題を題材にグループワークに取り組んだり、自分の探究成果を大学入試の志望理由書に落とし込む考え方を学んだりしました。
運営を行っていた事務局メンバーにとって、大変な驚きと新たな発見の連続でした。

学年や住んでいる地域がバラバラでも、グループワークでは協力しあって真剣に取り組む様子が印象的でした。
もちろん、学年段階の差は多少ありましたが、一つのテーマに向かって一生懸命に頭を使っていると、その差を生徒自身が感じずに共創していけるという事実を目の当たりにしました。
生徒たちにとっては、普段の学校での授業を飛び越えて、社会課題など一つのテーマに向かって全員で考えていくのが新鮮な活動だったようです。

さらには、普段から探究的な活動に取り組んでいる大学生がグループワークをサポートしてくれたのが、安心して取り組めた大きな一因です。
高校生たちは、最初は緊張していても徐々に積極的になっていきました。
きっと、これからの「考え方」や「生き方」を考えるうえで、着実に世界が広がる経験ができたことでしょう。
なにより、夏休みの貴重な一日を使って、学びに参加してくれたその積極性が、これから大人になっていく過程の中で大事になるのではと思い嬉しくなりました。

各プログラムでは、「学びの振り返り」として高校生自身が、新たに学んだことや気づいたことなどをまとめる時間を設けました。
実際に参加した高校生が、どのように学んだか、そしてどのように変容したかを言語化することで、その後に生かせるようにしました。

ここで、彼らの「学びの振り返り」での感想をいくつか紹介します。

Voice 1
1つ1つの活動が魅力的でなくてもそれぞれの話をつなげて1つのストーリーを作り上げることで新たな価値を見出すということを学んだ。

高校3年生、7/28「地方創生×観光×SDGs -むすんで、つないで、そのさきに」を受講 

Voice 2
グループで、海や水産業のためにできるとこは何か考えた。個人個人で出した考えをグループ活動を通して考えを深めることができた。

高校1年生、8/2「海の仕事を考えよう」を受講 

Voice 3
日本の漁師がここ20年間で半減してる事実を知りました。実際にプログラムに参加して問題解決に向かって自分たちで話し合い、解決していくことで身近に感じることが出来ました。私だけでなく私の周りの他の人とも話し合えれば他の人にも身近に感じてもらうことができるのでは無いかと思いました。

高校3年生、8/2「海の仕事を考えよう」を受講

Voice 4
これから、多くの場面でメタバースが社会問題を解決できるということを学べました。
また、今日行ったワークの手順は、これから自分の探究活動や学校生活の中での問題にも活かせると思いました。

高校1年生、8/11「未来のビジネス・社会を変えるメタバース」を受講

Voice 5
プログラムを受けて、自分がこれまでに考えていた進路以外にも新たな進学先の候補が見つかりました。興味があるテーマが医療や教育系でしたが、人間科学や総合科学の視点からでもアプローチできそうだったので、新たな選択肢として加えたいと思ったため。

高校2年生、8/15「探究から始まる学校推薦・総合型選抜対策」を受講

Voice 6
特に地域探究では自分で全てをこなそうとせずに、周りの様々なタイプの人と上手く協力していくことで成果をあげることができるのだということに気付いた。

高校3年生、8/18「あなたの探究スタイルを地域活動につなげよう」を受講

3. 登壇いただいた藤岡慎二氏の言葉からわかる、生徒の体験の充実度

講師の藤岡慎二氏より、プログラムを実施してのご感想をいただきました。
(8/10、8/15「探究から始まる学校推薦・総合型選抜対策」に登壇)

今回の講座では、答えがない課題について高校生の皆さんが主体的に取り組んでくれていたと思います。 答えがない課題について取り組むことは想定以上に難しいことです。 最先端の課題や問いは何か、それをいかなる学問で取り組むべきなのか。 高校生で考えることは簡単ではありませんが、皆さんは教材やメンターの大学生との 対話で考え抜いたと思います。 そして ・自分の興味ある分野についての視野を拡張できた ・総合選抜入試について何が大切なのかなどを知れた ・自分の考えを積極的に発表することができた ・総合型選抜でその学校でなければならない理由を具体的に考えれた ・課外活動に繋がる問いの作り方などを理解した ・”「知のフロンティア」を意識する必要があることが理解できた 以上のことが持ち帰れたかと思います。 今後も、今回の学びを通じて自身の進路探究に取り組んでください!

藤岡 慎二(産業能率大学経営学部教授、株式会社Prima Pinguino代表取締役)

1回のプログラムを受講しただけでも、このように多くの学びが得られました。
講師の後押しが、生徒の「自分の成長が実感できた」という感触や学びの満足感を加速させているのだとうかがえます。
そして、この夏の体験や学びこそが、その後の探究の成果や進路に生きてくることでしょう。

4. 今後も、高校生の探究活動を全力で支援していきます!

今回、初めての高校生向けのワークショップ実施により、これまで見えにくかった高校生のリアルな学びの姿に触れられました。それは、想像以上にたくましく、これからの未来がとても楽しみになりました。それと同時に、まだまだブラッシュアップが必要な部分も見つかりました。さらなる進化をとげて帰ってきますので、次回の参加もぜひお待ちしています。

今後も、トモノカイでは学校の先生、および高校生の皆さんが安心して探究学習に取り組めるような環境づくり、学びの場づくりに貢献していきます。
副教材だけではなく、イベントやセミナーなどさまざまな企画を準備しておりますので、こうご期待ください!

「高校生ミライ探究部」は生徒の個人参加が主体でしたが、クラスや学年単位での開催にもぴったりです。
今回、学校の先生からの紹介で受講してくれた生徒もたくさんいました。

学校での開催をご検討の先生は、ご気軽にお問い合わせください。
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