【自由すぎる研究グランプリ企業審査員インタビュー:SEE THE SUNさま編】代表取締役が感心! 自分自身の興味と学問が掛け合わさった多様な探究成果

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8月末に最終審査結果を発表した探究成果発表の場「自由すぎる研究グランプリ」。

第一回の開催となった今回は、全8社の企業が審査員として集まり、2次審査・最終審査を行っていただきました。そんな企業審査員の皆さまだからこその気づきや感じたことをお伺いすべく、我々は対談形式のインタビューを敢行しました。

本シリーズ第三回は、食にまつわる社会課題の解決に取り組む、森永製菓グループの株式会社SEE THE SUN。同社で代表取締役社長を務める金丸美樹さんへのインタビューです。

インタビュイー:株式会社SEE THE SUN 金丸美樹さん
インタビュアー: 株式会社ウサギ    高橋晋平さん

※このあと出てくる具体的な作品についての詳しい情報は「自由すぎる研究グランプリ」公式ホームページをご参照くださいませ。

目次

  1. 初めての審査を終えて感じたこと
  2. 第二回の開催へ向けての期待
  3. 高校生の皆さんへ
  4. 総括

 

初めての審査を終えて感じたこと

――自由すぎる研究グランプリ」の審査を終えてみての、率直な感想をお聞かせください!

金丸さん:

今回参加した生徒たちは、子どものころからSNSを通じて発信したり、または誰かの発信を受け取ったりしている世代だからなのか、自分の興味をそのまま伝えるのではなく、面白く見せる工夫ができており驚きました!

しかも、「勉強」という枠組みの中に、面白さを取り入れることができている。テクニックとしてやっているのではなく、自然にできていることに驚かされますね。だけど、発表動画をみると高校生らしさも残っている。そこがまた良いですね!

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金丸さんへのインタビュー時の様子
自由研究は、本来は自分でテーマを選んで、好きなことをやればいいものですよね。本当は楽しいものであるはずなのに、嫌な課題のひとつになってしまっています。

こうした背景や、正解がないことに対する不安もある中で、「自由すぎる研究グランプリ」では、のびのびと研究している生徒たちの姿が見られたことが良かったです。

――金丸さんが特に印象に残った作品はありましたか?

金丸さん:

『ごんぎつね裁判』ですね! この悲しい物語を冷静に裁判にかけるとどんな刑になるのかという切り口は新しく、印象に残りました。弁護士の方にも見せたいくらいです。

――実際に弁護士さんに意見を聞きに行くのは、もう一歩踏み込んだ探究活動になりますね!

金丸さん:

本当にそうですよね! 実際に有識者に聞きに行くことができると、研究の幅が広がって面白くなりそうです。

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株式会社SEE THE SUNは「テーブルを創るすべての人を幸せに」をテーマに
様々な活動をしています。(公式ページより引用)


――ところで、審査員を務めていて金丸さんご自身が参考になったことはありましたか?

金丸さん:

今回の応募作品を見ていて、生徒自身のちょっとした自分の興味を、学問と掛け合わせて実証実験しているところに驚きました。それでいて、生徒本人たちも楽しんでいることが作品から伝わってきす。

研究の中にユーモアやエンタメをエッセンスとして取り入れていますが、それはとても大事なことだと思います。

社会実装するときは、人に面白がってもらえることが必要なので、その要素がこの「自由すぎる研究グランプリ」を通じて学べているのではないかと思いました。

 

第二回の開催へ向けての期待

――実は第二回開催への企画をすでに進めているのですが。今後の大会に期待することはありますか?

金丸さん:

少し高度になりますが、より「社会実装」を意識した作品が集まるような枠があっても良いのではないでしょうか。

「研究」というと、技術的なイメージで、論文を書きながらテーマを深掘っていくものだと思います。

深掘りすること自体は素晴らしいことですが、それが社会に関係なかったら、少しもったいないなと感じてしまうんですよね。

研究テーマについて深掘りをしつつも、その研究を進めた結果、どんな社会に向かっていくのか、どう社会と関連していくのか……。高校生の皆さんが描く理想の社会を見てみたいですね。

今回の応募作品であった『“夜に駆ける”からみる音楽が人に与える心理的影響の考察』も、例えば音楽そのものが社会にどんな影響を与えるのか、といった視点で深めていけると面白いのではないでしょうか。

――たしかに、それはいいですね!

金丸さん:

ただ、社会実装に重点を置いて考えてしまうと、逆に研究の面白さもなくなってしまう可能性はあると思ってもいます。

その意味では、例えば「この研究をする生徒ってどんな未来の社会を描くのだろう?」のように、「研究」と「社会実装」の観点を切り離して考えてみても面白いかもしれませんね。このあたり、個人的にはとても興味深いです!

 

高校生の皆さんへ

――今回、全国から高校生の応募がありました。金丸さんご自身が、こんな人と一緒に働きたいなぁ、と思う人はどんな人ですか?

金丸さん:

前向きで色んなことに興味がある人ですね! 好奇心旺盛な人が一番です。

また、知らない世界に出会ったときに、怖いと思うか、面白いかと思うかで大きな差があるとも思っていて。私はそこで「面白い!」と思える人と働きたいですね。

だからこそ、恐れや不安もあるけど、一歩外に出て、乗り越えると楽しいと思えるような経験を、今のうちにしておけるとすごくいいですよね。

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金丸美樹さん、ありがとうございました!

 

総括

今回は、SEE THE SUNの代表取締役社長の金丸美樹さんに取材を行いました。

金丸さんは、一緒に働きたい人として「前向きで色んなことに興味がある人」と挙げられましたが、探究学習においても、何をテーマに調査していくのか、自分の「好奇心」が原動力になります。

正解のない探究学習に恐れることなく、ぜひ学生の皆さんにも自分の中で芽生えたちょっとした好奇心を広げてみて取り組んでみてはいかがでしょうか。

今後も審査員へのインタビューを記事にしてまいりますので、ぜひご覧ください。

現在、トモノカイでは第二回大会を鋭意企画中です。

第二回大会で、たくさんの“自由すぎる”作品たちと出会えることを心からお待ちしております!

執筆:佐瀬友香(自由すぎる研究グランプリ事務局)

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